物流業のこれから
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関空運輸が考える物流業のこれから
対談メンバー
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物流事業部 部長
村田 敦紀1998年に入社。家庭の事情で一度退社するも、1年後に思い入れが強かった関空運輸に復帰。ドライバー、配車、配送、倉庫の営業など多岐にわたる業務を担当。現在は物流事業部の部長として、お客様と共にサービスを作り上げている。 -
貝塚流通センター センター長
山田 竜実2000年にドライバーとして入社。初めてトラックに乗ったときの指導員は、現在の上司である村田部長。一身上の都合により一旦、退職するが約1年後、現社長に関空運輸で働きたいことを伝え復帰。拠点の立ち上げを担当するなど、様々な経験を経て現在は貝塚流通センターのセンター長を任されている。 -
りんくうロジスティクスセンター 課長代理
平石 大貴2013年に入社。車の運転が好きだったことが応募のきっかけ。入社当初はドライバーとして活躍し、現在は配車管理を担当しながら課長代理としても活躍している。持ち前の行動力で、未来の関空運輸を担う存在として期待されている。
Q1.「2024年問題」に対する関空運輸の取り組みは?
村田
2024年問題については、3年ほど前から話題に上がっていて、早い段階から動いていたため、ある程度の準備はできているんじゃないかなと私は思っています。その中で、配送と倉庫、大きく2つに分けて取り組む必要があります。配送に関してはシステムで管理を一元化していくことを進めていて、概ね対応できている感じです。倉庫に関しては山田さんが2年くらい前から動いているんですよね?どういうところが変わりました?
山田
そうですね。2022年ごろから動き出していて、特に変わったのは長距離輸送のバラ積み・バラ下ろしからパレット化へ移行したことですかね。ドライバーさんの荷役作業と走行時間の確保といった面から、業務の切り分けができるようになったことで、トータルの拘束時間を約6時間短縮できる運用が可能になりました。
— 2、3年前から動き始めたのは、業界的には早いほうだった?
山田
村田部長と運輸局などに行かせてもらっている中では、「だいぶ先取りして進めていますね」とは言われていましたよね。お客様もまだ先だろうっていう感覚はあったと思うんですけど、前もってどんどん提案していました。2年ぐらいはかかりましたけど、お客様のご理解もあり対応いただけてっていうところですね。
村田
それに代表がすごく危機感をもっていたので、早めに取り組むことができたんじゃないかなと思っています。その中で運輸局の方には定期的に訪問するようなところも指示を受けていました。また法改正の方も我々の認識と運輸局の認識で違う部分がどうしても捉え方の違いで出てくることがあるので、その辺を詳しく擦り合わせて確認した上で、やるべきことを全体で進めていきました。
— 「2024年問題」に取り組む中で、目標にしていたことは?
村田
実は4年ほど前に、一度コンプライアンスに抵触するような事案がありまして……。うち自体は全て監査項目に抵触することなくやれているという認識があったんですけども、気づいてみると解釈の違いなどで、なかなかできていなかった現実がありました。その後に運輸局の方に訪問させてもらって、法改正についてのすり合わせをしていく中で、24年問題と重ね合わせて確認を取りながら進めていきました。こういった失敗を経験しているので、この2024年問題は絶対にその認識違いを起こさないように、しっかりコンプライアンスを守ることを意識していました。
平石
そうですね。それを次に起こさないように、活かせるようにというところで、会社全体の意識が一つになることが一番大事かなというふうに感じましたね。
Q2.今後の技術革新についてどう考える?
山田
ロボットであったりとか、自動搬送機であったりとか、そういうのが入っているセンターもありますし、何か提案できるものはないかっていうのを聞かれることも多くなりました。そこは勉強して行かなければならないと思いますね。
村田
自動配車のシステムとかがあるので、物流展に行った時には見るようにはしています。うちの既存の仕事をシステム化していくまでには、ちょっと時間がかかるのかなというようなイメージを持っているんですけど、実際に配車をされている平石さん的には、やっぱりこの自動配車のシステムは興味あるところですか?
平石
めちゃめちゃ興味ありますし、試してみたいですね。一回自分が組んだのと、システムがやったものとを比べてみたいですし、そこから新しい方法が見えてくると思うんです。自動配車の仕組みなど知識を深めていきたい一方で、現状のアナログなやり方としては今の段階のものがベストなのかなとも思います。
— この業界で注目されている技術は?
村田
トラックで言うと、自動運転ですね。自動運転って何年くらいで実現できそうなイメージがある?
平石
うーん、そうですね、大体10年後くらいですかね。固定のルートの運送とか、リフトも自動で動いてとか、そういったところは10年くらいで可能になるんじゃないかなと思っています。山田さんはどう思われますか?
山田
僕も10年くらいかなって思ってました。リフトは、平石さんが今言ってたみたいに、積み込みや下ろすといった自動化が進んでいる部分がありますよね。ただトラックは10年以上かかるかもしれないですね……やっぱり15年にしておきます。
村田
僕も15年くらいですかね。乗用車の自動運転の方が早くから言われてたような気がするのですが、その乗用車もまだそこまで進んではいないので、トラックはもっとかかるかなと思います。乗用車が先にどんどん自動運転で走っているようなイメージになってからじゃないと、なかなかその先がないのかなと。
Q3.物流業の未来はどうなる?
平石
ドライバーはどんどん少なくなっていくんだろうなっていうのは感覚としてありますね。関空運輸のドライバーは、周りの会社さんとかと比べたら年齢層が若いんですけど、同業者はかなり年齢が高めなので、いかに若い世代に興味を持ってもらうかが重要になってくると思います。今は入社するだけでもハードルが高いかなと思うので、まずはそのハードルを下げていきたいです。それに若い方は私生活とのバランスをすごく大切にしているという感じがするんで、さっきの2024年問題の中でもある通り、仕事の時間と休息の時間っていうのは明確に分けてちゃんと守ってますよっていうところを伝えていきたいですね。
山田
ロボット化やAIの導入が進んだとしても、人は絶対に必要だと思うんです。必要だけども足りないという状況の中で、外国人の雇用という日本人だけじゃなく外国人も一緒になって、いろんな人が働くような職場になっていくんじゃないかっていうのが一つあります。また、トラックを運転すれば当然CO2が排出されます。地球環境に与える影響は大きいので「環境に配慮した運送業、物流業」というところに取り組まなければと思っています。
村田
CO2を減らしていく方法としては、物流をプラットフォーム化して、共同配送をかけていくことで、2台の車両を1台に減らすことが可能になりますよね。積み合わせや乗せ合わせを活用することで、さらに車両数を減らせますし、やり方はいろいろあると思っています。こういったことを関空運輸で検討して、今後サービスとして広めていきましょう。
Q4.変えていきたいこと、強化していきたいことは?
平石
実務をしていく上では、まだまだ紙ベースというか、ペーパーレス化は進んでなくて、どうしてもすごい束の依頼書とかを扱ったり、FAXで送ったりが多いんで、そういった部分は変えていきたいと思っています。紙ベースであるからこそ確認もできて、失敗を未然に防げるようなメリットもあるんですけど、簡単に携帯一つで依頼書が見られるとか、ドライバーと管理者が情報をすぐに共有できるような何かがあれば、もっと認識の差が生まれにくいのかなというのは感じています。
山田
関空運輸の強みとしてよく挙がるのが人なんですよ。僕ら貝塚メンバーは、「一回来てくれたら絶対続けてもらえる自信がある」と言ってます。実際、タイミー経由で働いてくれている方からはすごく評判が良くて、明日もまた入ってますとよく言ってもらえます。僅かな時間でもそう思ってもらえる良さがあるのだから、そこをもっと自社に切り替えていきたいですね。採用のところで「一回見に来てよ」って自信を持って言える職場になっていると思うので、そういう部分はもっと強くしていきたいなと思います。
村田
僕も少し山田さんに似ているんですけど、もっと人が集まるような会社にしていきたいと思っています。そのためにはたくさん課題がありますが、多様な人材を受け入れたり、今の時代に沿う働き方で採用していったりとか、そういった部分を強化していきたいですね。 あとは、そうですね。我々のサービスは、指定された時間に取りに行って指定された時間にお届けするという点で、他社との差別化がなかなか難しくて、業界的にはどうしても価格勝負のところが強くなっていくじゃないですか。より安く、より安くっていうような考え方がある中で、先ほどもお話ししたように、物流のプラットフォーム化や環境への配慮を進めて、サービスとして具体化していきたいですね。一番の理想はお客様と一緒にサービスを作り上げて、成長させていくことだと考えています。